IWGPシリーズ第5作、『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5 』を読了。
待ちに待った最新作。期待度は150%!
読み始めたらお話し1つ終わるまでやめられないのはいつものこと(IWGPは睡眠不足も連れてくる)。
いつもどおり、ワクワクしながら読んだのだが・・・な〜んかいままでと読後感が違うのは何故だろう??とてもモヤモヤする。
改めて目次をみてみて・・・いつもと同じ感じで読めたのは、最初の『スカウトマンズ・ブルース』と『死に至る玩具』。 最も違和感が高かったのが、タイトルになっている『反自殺クラブ』。
こうしてみると、私がモヤモヤする理由は明らかだ。
マコトが事件に関わっていく過程での、相手との距離感と目線が違う。
『死に至る玩具』でマコトが立ち向かうのは巨大企業の営利優先・人権二の次主義で、『反自殺クラブ』は自殺サイト。どちらも、 いわば世間一般的通念上では「アカンのじゃないの?」という事柄に対して、池袋にある果物店の店番のにーちゃんが対峙する・・・という構図は、 一見変りなく見える。
だけど、マコトが見ているところが違うように感じる。『反自殺クラブ』では、「 集団自殺」という、出来事に対しての疑問が主体で、その話しを持ってきた依頼人への関心は後からついてきている印象。『死に至る玩具』では、 正義を求めて中国から来た女の子のターゲットが巨大企業であり、彼女を助けるためにマコトは行動している。
このシリーズの魅力は、マコトの歩く速さで進み、彼の目線で見る・・・その快感だ。彼は池袋をバイクで走り回るのではなく、 店番の合間に歩いてまわり、公園のベンチで風景を眺める。人と出会い、その人のために共にトラブルを乗り越える。世間の評価や、通念や、常識や、 そんなものに囚われることなく、自分の価値観でものを見て解決方法を探る。
『反自殺クラブ』は、マコトが事件を身近に引き寄せきれなかった印象だ。インターネットサイトというバーチャルな場と、「集団自殺」 というリアル。そもそもマコトのフィールドではない場で起こる、想像を超える出来事に関わろうとするのだから、今までと違って当然かもしれない。 彼の得たものが、非常にシンプルで、使い古されたような真理であるのも、事件が事件だけに当然かもしれない。
『赤・黒』が、フィールドは同じだけど主人公が違うよ・・・という「IWGP外伝」ならば、この『反自殺クラブ』は、 主人公はマコトだけどフィールドと目線が違うよ・・・というところで「外伝」だと思っておこう。

